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    管理栄養士が考える、
    透析の患者様向けのレシピをご紹介しています。

    本

    市販の透析食献立本としては、次の2冊をおすすめしております。

    管理栄養士からのメッセージ

     患者様E氏(80歳)におかれまして、認知症の奥様とお二人生活でございます。 奥様の介護は大変でございますが、日々の一番の悩みが献立及び調理です。品数はいらない、一品美味しくて簡単に出来る料理が良いとのこと。 そこで、医師であり、女子大学健康栄養学科教授が出版した「男のええ加減料理」のレシピ本を貸し出しました。土鍋一つで出来る料理でございます。

     豚ニラもやし、はりはり風餃子鍋やおかず豚汁等、少しでも参考になればと思っております。なお、テレビでも料理番組をご覧になって作っていらっしゃる様子です。

     血液検査の数値も体重管理も良好な患者様でございます。

    管理栄養士からのメッセージ

     透析患者様の中には現役で仕事をしておられる方も多数いらっしゃいます。接待などで宴会の機会も多いでしょう。おつまみ類や肉魚料理を召し上がることが多くなるかと思います。 お造り、握り寿司、焼き肉、焼き鳥、串カツや肉魚を多く使った中華料理など、リンの高い料理が並ぶかと思います。このような宴会料理が続くと、血中リンの値が10㎎/dl以上になることがあります。

     宴会料理を召し上がる日やその前後の日は、極力炭水化物や野菜中心の食事にするよう工夫致しましょう。同時にカロリーも控えましょう。

    管理栄養士からのメッセージ

     血糖コントロールが改善された高齢患者の食事指導の1例を示します。
      自己インスリン注射
      経口血糖降下剤(DPP4阻害薬)
      食物繊維含有栄養調整食品(難消化性デキストリン)
      SU剤(スルホニル尿素薬)
     以上の療法に加え、食事カロリー制限の指導を行いました。

     ■両大腿骨頭骨折術後と糖尿病を合併している透析歴10年の患者様D氏(女性90歳代、身長150㎝代、DW52.3Kg)におかれまして、痴呆症状は軽度で自己インスリン注射、自己血糖測定が可能でございます。以前は血糖値が300㎎/dl代にも及ぶこともございました。3食/日以外に空腹時や低血糖症状がある時には餡パン等を召し上がっておられました。代わりに小さなおにぎりに変更するように指導致しました。

     経口血糖降下剤(DPP4阻害薬)を開始し、その後朝夕食前には食物繊維含有栄養調整剤を1包ずつ服用しております。さらにSU剤の服用を開始しております。その結果、血糖値が朝夕共に60~150㎎/dl代に落ち着いて参りました。GA(グリコアルブミン)値は30.3%から24.8%まで下がって参りました。患者様ご自身は「血糖値が下がってきました。食物繊維のお粉でお通じが2回/日スッと出ます。」とおっしゃっています。また、低血糖症状を起こすこともなくなってまいりました。

     透析間の体重増加も減少して参りました。指導中のDW(ドライウェイト)の変動はなく、栄養状態も良好でございます。インスリン注射量の減量を達成し、経口血糖降下剤及び食物繊維含有栄養食品を併用することにより、病状が安定し始めております。

    管理栄養士からのメッセージ

     昼夜共にまだまだ暖房は必要でございますが、暖かさを感じる頃となりました。正月を過ぎ、中には新年会などご馳走の続く食のスタイルが長引いておられる患者様が見受けられます。少しばかり簡素な食事に切り替えていきましょう。冬場と同じ量を摂取していたら太ってしまいますので、寒さに耐えうるエネルギー補充としての余分なカロリーは減らすように致しましょう。

     

     これからは、旬の美味しい春野菜も増えて参ります。バランスよく野菜料理も増やしましょう。

     

     なお、リンについてでございますが、加工食品にはリン化合物である食品添加物が含まれていることが多いです。リン化合物(添加物)の場合は腸管から約9割吸収されると言われております。インスタント食品はじめ、洋菓子、乳製品や清涼飲料水などの多くの食品にリン化合物(添加物)は含まれております。リンの摂取量が多くならないように注意致しましょう。

    管理栄養士からのメッセージ

     1日の飲水量を一定にして、体重増加を防ぐように習慣づけていきましょう。味の濃いものを食べると身体は生理的に水分を欲しますので、塩分を摂り過ぎないことが大切です。塩分の血中濃度を一定に保つために、塩分を多く摂取すると水分が必要になるからです。

     透析1日あきの場合はドライウェイトの3%まで、2日あきの場合は5%までの体重増量に抑えましょう。

     寒い時期はついつい麺類のおつゆも飲んだり、温かい飲み物を余分に飲んだりすることのないよう、また酒類の飲み過ぎには充分気を付けましょう。もちろん食事重量の約85%は水分であるということも念頭に置きましょう。

     薄味に慣れていく、余分なタレやソースは控える、味の濃い外食は充分注意致しましょう。

    年の初めに

     新年明けましておめでとうございます。

     リンの摂取制限は1日900㎎と言われています。昼食夕食共にリン含有量が300~400㎎ある場合、朝食が比較的調整しやすいでしょう。朝食にパンやパンケーキ、野菜サラダ、フルーツやコーヒー等をお召し上がりになる場合、卵、ハムやヨーグルト等のリンの数値の高い食品を避ける工夫を致しましょう。

     さて、今はブリや牡蠣のシーズンです。サワラやハマチよりブリの方が蛋白価は高く、リンの数値は低くなっております。お勧めの魚でございます。ハマチが大きく育ち身もひきしまったブリは、照り焼き、ブリ大根、あら煮、かま塩焼きや刺身などと美味しく召し上がって頂けるでしょう。

     また、牡蠣の蛋白質量は100g中6.6gと低めであり、かつ、リン・カリウム値の低い蛋白質源となっております。カロリーも低めでございます。牡蠣はビタミン・ミネラルも多種豊富に含まれております。舌の味覚細胞の形成(再生)にかかわる亜鉛が100中13.2㎎も含まれております。亜鉛はその他色々な効能があります。シーズンお勧めの海の幸でございます。

    ※ワンポイント

     野菜果物で食物繊維を充分摂りますとカリウム値が高くなる心配がございます。その場合、食物繊維の栄養補助食品の利用をお勧め致します。血糖値が下がる、便通が良くなる、食欲を抑えるなどの効果が期待できます。

     今年もよろしくお願い申し上げます。

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    本

    市販の透析食献立本としては、次の2冊をおすすめしております。

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