血糖コントロールが改善された高齢患者の食事指導の1例を示します。
自己インスリン注射
経口血糖降下剤(DPP4阻害薬)
食物繊維含有栄養調整食品(難消化性デキストリン)
SU剤(スルホニル尿素薬)
以上の療法に加え、食事カロリー制限の指導を行いました。
■両大腿骨頭骨折術後と糖尿病を合併している透析歴10年の患者様D氏(女性90歳代、身長150㎝代、DW52.3Kg)におかれまして、痴呆症状は軽度で自己インスリン注射、自己血糖測定が可能でございます。以前は血糖値が300㎎/dl代にも及ぶこともございました。3食/日以外に空腹時や低血糖症状がある時には餡パン等を召し上がっておられました。代わりに小さなおにぎりに変更するように指導致しました。
経口血糖降下剤(DPP4阻害薬)を開始し、その後朝夕食前には食物繊維含有栄養調整剤を1包ずつ服用しております。さらにSU剤の服用を開始しております。その結果、血糖値が朝夕共に60~150㎎/dl代に落ち着いて参りました。GA(グリコアルブミン)値は30.3%から24.8%まで下がって参りました。患者様ご自身は「血糖値が下がってきました。食物繊維のお粉でお通じが2回/日スッと出ます。」とおっしゃっています。また、低血糖症状を起こすこともなくなってまいりました。
透析間の体重増加も減少して参りました。指導中のDW(ドライウェイト)の変動はなく、栄養状態も良好でございます。インスリン注射量の減量を達成し、経口血糖降下剤及び食物繊維含有栄養食品を併用することにより、病状が安定し始めております。